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【読書日記2/17’】静かな炎天@若竹七海 [読書日記]

若竹七海著「静かな炎天」を読了。
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前作「さよならの手口」で著者・若竹七海と彼女が描く女探偵・葉村晶に出会ったことは、去年の大収穫でありましたし、傑作にふれた思いでありました。
本作「静かな炎天」はその有能だが不運すぎる女探偵・葉村晶が手がける六つの事件を収めた連作短編集です。
短編集と言えども侮ることなかれ。一編一編が珠玉の出来栄えになっています。
タイトルも、「青い影」「静かな炎天」「熱海ブライトン・ロック」「副島さんは言っている」「血の凶作」「聖夜プラス1」など、ロックテイストなタイトルあり古今のミステリーのオマージュもありと楽しい構成になっています。
ブッキシュ、シニカルそしてユーモアスな、著者しか描けない世界観の私立探偵小説で、お勧めの一冊です!

あらすじ: 第1話:バスとダンプカーの衝突事故を目撃した晶は、事故で死んだ女性の母から娘のバッグがなくなっているという相談を受ける。晶は現場から立ち去った女の存在を思い出す…「青い影~7月~」 第2話:・かつて息子をひき逃げで重傷を負わせた男の素行調査。疎遠になっている従妹の消息。晶に持ち込まれる依頼が順調に解決する真夏の日。晶はある疑問を抱く…「静かな炎天~8月~」 第3話:35年前、熱海で行方不明になった作家・設楽創。その失踪の謎を特集したいという編集者から依頼を受けた晶は失踪直前の日記に頻繁に登場する5人の名前を渡される。…「熱海ブライトン・ロック~9月~」 第4話:元同僚の村木から突然電話がかかってきた。星野という女性について調べろという。星野は殺されており、容疑者と目される男が村木の入院する病院にたてこもっていた。…「副島さんは言っている~10月~」 第5話:ハードボイルド作家・角田港大の戸籍抄本を使っていた男がアパートの火事で死んだ。いったいこの男は何者なのか?…「血の凶作~11月~」 第6話:クリスマスイブのオークション・イベントの目玉になる『深夜プラス1』初版サイン本を入手するため、翻弄される晶の過酷な一日を描く「聖夜プラス1~12月~」。 有能だが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ第4弾。苦境にあっても決してへこたれず、ユーモアを忘れない、史上最もタフな探偵の最新作。〈甘いミステリ・フェア〉〈サマーホリデー・ミステリ・フェア〉〈風邪ミステリ・フェア〉〈学者ミステリ・フェア〉〈クリスマス・ミッドナイトパーティー〉など、各回を彩るユニークなミステリの薀蓄も楽しめます。好評の「富山店長のミステリ紹介ふたたび」も収録。
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【読書日記1/17’】転位宇宙@A・G・ドリル [読書日記]

A・G・ドリル著「転位宇宙」を読了。
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2017年最初の読書はアトランティス・ジーン・シリーズ3部作ラスト作品。
1作目はエスピオナージュ風からSF風まで、2作目はSF風から人類絶命そして3作目は宇宙に飛ぶ・・・なんてハチャメチャな展開でしょう。
結果、3作目そして今年の初読書にして”あきらめ~本”になりかけましたが、何とか読破できました。
著者は才能があると思うので、もう少しテーマを絞って、かつ、落ち着いて書けば、もっと面白い作品が書けると思うけどな。
次回作に期待します。

あらすじ:遺伝学者のケイトは、太古のアトランティス人科学者の記憶を用いて疫病の治療法を見いだした。だが、アトランティス軍人アレスの企みで、地球はふたたび破壊と混乱の渦に呑み込まれていく…!ケイトは恋人デヴィッドらとともに、過去にアトランティス文明を滅ぼし、いずれ地球を訪れて滅亡へと導く謎の存在の情報を得ようと、ポータルを使って宇宙へと旅立つことになるが…。驚異のSFスリラー三部作、堂々完結!
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【読書日記26/16’】Y@佐藤正午 [読書日記]

佐藤正午著「Y」を読了。
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”もしもあのときこうしていたら・・・”こういった思いは誰もが一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
本作はそれがテーマとなっていて、Yは分岐点を示しています。
そして、推理小説恋愛小説ミックスされた構成になっていて、かつ、パラレルワールドの世界観。読み応えがありました。
2016年は、佐藤正午の「鳩の撃退法」で始まり佐藤正午の「Y」で終わり。印象的な作家のひとりでしたね。

あらすじ:ある晩かかってきた一本の奇妙な電話。北川健と名乗るその男は、かつて私=秋間文夫の親友だったというが、私には全く覚えがなかった。それから数日後、その男の秘書を通じて、貸金庫に預けられていた一枚のフロッピーディスクと、五百万の現金を受け取ることになった私はフロッピーに入っていた、その奇妙な物語を読むうちにやがて、彼の「人生」に引き込まれていってしまう。この物語は本当の話なのだろうか?時間を超えた究極のラブ・ストーリー
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【読書日記25/16’】疫病神シリーズ 喧嘩@黒川博行 [読書日記]

黒川博行著「喧嘩」を読了。
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待望の疫病神シリーズ最新刊。「喧嘩」と書いて”すてごろ”と読みます。
前作で組を破門になったイケイケやくざの桑原(破門されたので元やくざですが)。そして、相変わらずの生活をしている相棒(?)二宮。
今回は、選挙戦の暗部に金の匂いを嗅ぎつけ大立ち回りを演じます。
毎度の事ながら、二人の会話の楽しさ、物語のスピード感、そして大阪の街と随所に出てくるグルメ店。絶妙な語り口はお見事です。
破門になって組の後ろ盾を失った桑原と何だかんだいいながら桑原についていきおこぼれを授かる二宮。
次回作も待ち遠しくてしょうがありません!

あらすじ:「売られた喧嘩は買う。わしの流儀や」建設コンサルタントの二宮は、議員秘書からヤクザ絡みの依頼を請け負った。大阪府議会議員補欠選挙での票集めをめぐって麒林会と揉め、事務所に火炎瓶が投げ込まれたという。麒林会の背後に百人あまりの構成員を抱える組の存在が発覚し、仕事を持ち込む相手を見つけられない二宮はやむを得ず、組を破門されている桑原に協力を頼むことに。選挙戦の暗部に金の匂いを嗅ぎつけた桑原は大立ち回りを演じるが、組の後ろ盾を失った代償は大きく―。腐りきった議員秘書と極道が貪り食う巨大利権を狙い、代紋のない丸腰の桑原と二宮の「疫病神」コンビ再び。
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【読書日記24/16’】ミスター・メルセデス@スティーヴン・キング [読書日記]

スティーヴン・キング著「ミスター・メルセデス」上下巻を読了。
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僕にとってスティーヴン・キングという作家は当たり外れが大きい作家ですが、←何を上から目線で本作は当たりも当たり大当たりでした。
早朝から職を求めて市民センターに集まった失業者めがけて、謎のメルセデスベンツが突進。阿鼻叫喚の中、多数の死傷者を出し、犯人のメルセデス・キラーは逃げ去ってしまう・・・
序章の数十頁で読者を掴むテクニックはさすがですね。
そして、何よりホラーの帝王、スティーヴン・キングがはじめて混じりっ気なしのミステリーを書いた、というところが新鮮で良かったです。
けど、メルセデス社から苦情が出なかったのかちょっと心配でもありました。
ちなみに、初のミステリーで、アメリカ探偵作家クラブがアメリカ最高のミステリーに与えるエドガー賞最優秀長編賞を受賞したキングの会心作でもあり、続編も予定されているようで楽しみであります。

あらすじ:かつて暴走車で多数の人々を無差別に死傷させて逃走した殺人鬼。いまそいつからの挑発の手紙が退職刑事ホッジズのもとに届いた。退職以来、生きる目的を見失っていたホッジズは、新たな犯行を阻止すべく猟犬魂を甦らせて立ち上がる……
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【読書日記23/16’】歌舞伎町ダムド@誉田哲也 [読書日記]

誉田哲也著「歌舞伎町ダムド」を読了。
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前回紹介した「歌舞伎町セブン」の続編。
新宿歌舞伎町を守る裏の稼業人たち。今回は誉田哲也の代表作「ジウ」で描かれた組織・新世界秩序の残党と自らジウの後継者と名乗るダムドとの戦いを描いています。
人物的に東、陣内、ミサキ、姫川、作品的にもジウ、セブン、ストロベリー・ナイトなど、ある意味ひとつのサーガを生み出しそうなこのシリーズ。
誉田哲也がこれからどう仕掛けてくるか楽しみであります。

あらすじ:日本最大の歓楽街・新宿歌舞伎町。そこに、全裸の男女を凌辱し、惨殺することに快感を得る謎の男がいた。彼は七年前に起きた「歌舞伎町封鎖事件」でジウと出会い、自らもジウになろうとしていた。再び動き出す「新世界秩序」の陰謀、巻き込まれてゆく新宿署の東弘樹警部補、そして「歌舞伎町セブン」。『ジウ』『国境事変』『ハング』、そして『歌舞伎町セブン』、全ての物語がここに繋がる―!
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【読書日記22/16’】歌舞伎町セブン@誉田哲也 [読書日記]

誉田哲也著「歌舞伎町セブン」を読了。
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ジウ亡き後の歌舞伎町を画いた作品。
歌舞伎町を守る「自警団」的な雰囲気ですが、生業は殺人・・・
しかも殺し方が必殺仕事人(笑)
けれども、ジウシリーズから東警部補が引き続き登場するし、セブンの顔ぶれも個性派揃いで面白い。
特にリーダー的な存在の陣内は仕事人の梅安みたいな技を使うにもかかわらず、妙に人間臭いダークヒーロー。
陣内と東警部補の間に漂う微妙な距離感もいい雰囲気です。
警察と仕事人。この二人の関係がどうなっていくかも楽しみであります。

あらすじ:冬のある日、歌舞伎町の片隅で町会長の高山が死体で発見された。死因は急性心不全。事件性はないはずだった。だが、これを境に、この街の日常はなにかがずれ始めた。それに気づき、手探りで真相を追い始めた人間たちが、必ずぶつかる「歌舞伎町セブン」とは何を意味するのか。そして、街を浸食していく暗い狂気の正体とは―。
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【読書日記21/16’】果つる底なき@池井戸潤 [読書日記]

池井戸潤著「果つる底なき」を読了。
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今をときめくベストセラー作家・池井戸潤のデビュー作にして第44回江戸川乱歩賞受賞作。
本作は銀行員の主人公が同僚の突然の死から、絡まりあった事件の謎を研ぎほぐしていく金融ミステリー
元銀行員だけあって、デビュー作も銀行を舞台としています。銀行業界の描写は流石に上手く、ストーリー展開もスピーディで読みやすかったです。
ただ、デビュー作だけあって、犯人の動機、人間関係の描写など若干荒削りな部分もありました。
まぁそれを乗り越えて、直木賞作家まで上り詰めたんでしょうね。
池井戸潤の作家としての出発点にふれられる一冊でした。

あらすじ:「なあ、伊木、これは貸しだからな」と、謎の言葉を残して坂本は死んだ。死因はアシナガバチによるアナフィラキシーショックだった。 翌日、坂本が顧客の口座から金を引き出し、自分の口座に送金していたことが発覚する。伊木は、坂本の無実を信じ、坂本が生前何をしようとしていたのか調べ始める。その過程で、自分が融資を担当した「東京シリコン倒産の真の原因を突き止め、坂本が言っていた「貸し」の意味を理解し、痛恨の思いに駆られる。しかし、坂本の死には更に深い闇が隠されていた。真相を探る伊木の行動を邪魔する者が現れ、更なる死人・怪我人が出始める。
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【読書日記20/16’】国境事変@誉田哲也 [読書日記]

誉田哲也著「国境事変」を読了。
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僕の中での誉田哲也はジウ、姫川玲子シリーズですが、本作は東警部補が登場するのでジウシリーズの亜流とも言える作品だと思います。
ただ本作は、警察という組織、在日韓国朝鮮人問題に真摯に取り組んだ作品で、現在の対北朝鮮問題を予見したような作品となっています。
作者の先見性にはある意味脱帽です。
しかし、日本警察の刑事部と公安部の対立ってのは小説の世界ながら真実味がありますね。

あらすじ:新宿で在日朝鮮人が殺害された。”G4”の存在を隠匿しようとする公安は独自捜査を開始するが、捜査一課の東警部補は不審な人脈を探り始める。刑事と公安、決して交わるはずのない男達は激しくぶつかりながらも、国家と人命の危機を察し、銃声轟く国境の島・対馬へと向かう――警察官の矜持と信念を描く、渾身の長篇小説。
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【読書日記19/16’】陸王@池井戸潤 [読書日記]

池井戸潤著「陸王」を読了。
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上手な作家ですね、池井戸潤さんは。
読ませ方を知ってる、読者のツボを心得ている作家ってそんなにいませんが、彼はそのひとりと言っても過言ではないと思います。
本作「陸王」も半沢直樹、下町ロケットに通じる痛快な企業物語。中小零細企業を舞台にしている点では、より下町ロケットに近いかも。
主人公の宮沢は、いつも資金繰りに困っている、ごく普通の悩める中小企業の社長。本業の足袋の売り上げは伸び悩み、メインバンク資金の貸し渋り。
にっちもさっちも行かない状況の中で、足袋が人間本来の走りに近い走り方をさせるということにヒントを得て、新事業に向けて文字通り”走り”出しますが・・・
幾分都合の良い展開もありましたが、主人公・宮沢と登場人物たちの、ものづくりへの愛が満ち溢れた、熱い熱い極上のエンターテイメント作品でした。
今から、テレビドラマ化が楽しみな作品でもありますね[TV]
お勧めの一作です!

あらすじ:勝利を、信じろ――。足袋作り百年の老舗が、ランニングシューズに挑む。 埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。といっても、その実態は従業員二十名の零細企業で、業績はジリ貧。社長の宮沢は、銀行から融資を引き出すのにも苦労する日々を送っていた。そんなある日、宮沢はふとしたことから新たな事業計画を思いつく。長年培ってきた足袋業者のノウハウを生かしたランニングシューズを開発してはどうか。 社内にプロジェクトチームを立ち上げ、開発に着手する宮沢。しかし、その前には様々な障壁が立ちはだかる。資金難、素材探し、困難を極めるソール(靴底)開発、大手シューズメーカーの妨害――。 チームワーク、ものづくりへの情熱、そして仲間との熱い結びつきで難局に立ち向かっていく零細企業・こはぜ屋。はたして、彼らに未来はあるのか?
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